
神奈川県立生命の星・地球博物館
植物
折原 貴道
ORIHARA TAKAMICHI
自己紹介
2011年より、神奈川県立生命の星・地球博物館で菌類(きのこ、カビなど)担当の学芸員をしています。専門はきのこ類の系統分類学ですが、中でも、落ち葉や地面の下に球形のきのこをつくる「地下生菌」の分類や進化、生物地理などの研究をライフワークにしています。2016年には仲間とともに「日本地下生菌研究会」を立ち上げ、活動を続けています。
所属館の設置者・運営母体は ?
神奈川県の機関で、県立の他の社会教育施設と同様、教育局に属しています。学芸員を含め、内部の職員も基本的に県職員(公務員)です。
あなたの専門分野は ?
菌類の系統分類学
学芸員になろうとした理由、学芸員になるまでの経緯は ?
小さい頃(4歳か5歳頃)、図鑑をきっかけにきのこに興味を持ち、小学校高学年になってからは自分で近くの山へ出かけて観察するようになりました。当時から、博物館や大学などで、きのこを調べる仕事に就きたいと漠然と考えていました。その後、アマチュアとして活躍されていた有名なきのこの先生に教わりたいと、東京から京都市内の大学に進学しましたが、引っ越す直前にその先生がご逝去され、直接指導を受けることは叶いませんでした。京都では、主にアマチュアのきのこ愛好家の方々にお世話していただきながら勉強を続け、修士・博士課程ではきのこの基礎研究の拠点となりつつあった鳥取大学に移り、地下生菌の研究に没頭しました。博士課程在学中に現在の職の公募があり、途中僥倖もあり採用されて今に至っています。博士号取得のため、初年度は社会人学生として学生も継続していました。
仕事内容は ?
国内外の研究者や愛好家にも協力していただきながら、様々な菌類の標本を集め、永続的に保管していくことが一番重要な役目です。それらの標本をもとに、自身の研究を進め、得られた知見を活かして、菌類の自然界での役割や重要性、それに魅力を多くの人々に伝えていくのが仕事です。一般市民やメディアなどからの菌類に関する問い合わせへの対応なども多くあります。
ただ、実際にはそれらにばかり取り組んでいる訳ではなく、博物館を維持・運営するためのさまざまな分担業務や、所属学会の役員としての仕事なども多く、様々な仕事をバランスよくこなすことが大変です。また、数年に一度の特別展の担当時は、やりがいはひとしおですが、心身ともに非常にハードです。
ただ、実際にはそれらにばかり取り組んでいる訳ではなく、博物館を維持・運営するためのさまざまな分担業務や、所属学会の役員としての仕事なども多く、様々な仕事をバランスよくこなすことが大変です。また、数年に一度の特別展の担当時は、やりがいはひとしおですが、心身ともに非常にハードです。
菌類特別展ギャラリートーク風景
仕事のやりがいのポイントは ?
幸い、私の所属する博物館では、個人研究のテーマはある程度自由に決められるため、自身が重要だと思うことに信念をもって取り組むことができます。また、個人的には、一般市民やアマチュア研究者・愛好家と、プロの研究者が互いに共同で取り組んでいく仕事にやりがいを感じており、それが実現できるのが博物館学芸員の魅力の一つだと考えています。
学芸員として必要なスキル、経験、資格は ?
学芸員と一口に言っても、所属する館の設置目的や規模などにより、求められるものはかなり異なります。ある程度の規模の博物館において、自然科学分野の学芸員に求められることは、第一に高い専門的知識と経験です。これは研究能力と切っても切れない要素なので、まずは研究職を目指す中での選択肢の一つとして、学芸員を視野に入れるのが良いと思います。同時に、様々な人達との関わり合いも重要になるので、ある程度のコミュニケーション能力や調整力も必要です。また、性格の異なる様々な仕事を同時並行で進めなければならないので、そのようなことが苦手な人には向かないです。それとあと一つ、大事なのは、資料という「モノ」に対する執着・関心の強さかなと思います。